台湾の古典芸能『布袋戯』をご存知ですか?
こんにちは。あやみんです☆
雲林県虎尾にある『雲林布袋戯館』に行ってきました。館内の様子をご紹介する前に、『布袋戯(ブータイシー)』の歴史を少し。
★布袋戯の歴史
布袋劇(ブータイシー)は、17世紀に中国の福建省で発祥したとされています。その伝統芸能が、台湾に移民してきた福建省の人々と共に台湾にやって来ました。
台湾における布袋劇の故郷と言えば雲林で、現在でも布袋劇関連の仕事に携わっておられる方達が、他の地域と比べて多いです。
そして、今でも廟で神様へ見せるための布袋劇が行われています。観客0!いても数人…。でも、あくまで神様に見せる為なので、観客がいるかどうかは関係ないそうで…。台湾儒教の神様は、娯楽が大好きな神様なんですって。(^_^;)
こんな感じです。↓
布袋戯。アップバージョン☆#台湾 #布袋戯 #台湾語 pic.twitter.com/mKZ4UR0PSg
— あやみん@はてなブログ (@ayamintaiwan) May 21, 2019
昔は、人々が群がってこういう布袋戯劇を見ていたそうです。
台湾では、1962年に布袋戯劇がテレビで放送されるようになり、1970年に黄俊雄が主演した布袋戯劇は大ヒット。その後も彼は、沢山の人気作品を作り出しました。お昼頃に放送されていたらしいのですが、皆その時間帯はテレビにかじりついて布袋戯劇を見ていた為、仕事も手につかず、社会現象にまでなったそうです。その為、1974年には、布袋戯劇のテレビ放送は中止に…。
そして、黄俊雄さんが、現在台湾で布袋戯を代表する『金光布袋劇』と『 霹靂布袋劇(PILI人形劇)』の社長さん達のお父様です。
※他にも布袋戯の制作会社はありますが、この2つが台湾で一番有名です。
70年代に、台湾で一世風靡したテレビ布袋戯劇。どの様なものだったのでしょうか?コチラ↓
時が流れ、布袋戯劇は息子さん達に受け継がれ…。
『金光布袋劇』は、伝統に沿って、一人の人が全部のキャラクターの声を担当します!そして台湾語です!
※中国福建省では閩南語が話されていて、それが台湾で少しずつ変化し、今の台湾語になりました。うちのダンナは閩南語を聞く時、70%くらいは理解出来ると言っていました。
金光布袋劇はこんな感じ。↓
金光御九界之戰血天道第12集搶先看 10/02全家10/03 線上平台上市
金光布袋劇の社長が、全部のキャラクターの声を担当していて、主題歌も歌っています!↓
とても上手なのですが、「全てを一人でやってしまっていてつまらない。」などの声もあり、傷ついている様子。(´Д⊂グスン。ネットはコワイデスネ〜。なので、最近では他の人に歌ってもらう事もあるそうで…。
実は、私のダンナと金光の社長さん、十代の頃から友達で、ブレイクダンス仲間なんです(笑)。ダンナも金光の大ファンなので、田舎に引越してから、この間までそこで働いていました。今も手伝ったりしています。
ダンナの仕事は動画編集。2週間に一度、台湾のファミマでDVDを出しています。
しかし今では無料で動画が見れちゃう時代なので、中々昔の様には行かないらしく…。
金光の社長さんが高校生の頃は、彼のお父様が大成功を収めていた為、彼女を取っ替え引っ替えしてフェラーリにも乗っていたそうです。で、警察も見て見ぬフリだったとか…。
あとは、毎朝高校の先生が起こしに来ていたとか…。高校は家の前にあったそうですが、それでも凄いですヨネ(^_^;)。
※ダンナから聞きました。
そんな社長さんですが、自分の父親である先代に会うときはとても礼儀正しくキリッとしていて、自分の師匠を尊敬している様子が伺えます。
※普段もとてもフレンドリーで、偉そうぶった所が全くなく、仕事熱心な良い方です☆
『霹靂布袋劇(PILI人形劇)』は金光の社長さんの異母兄弟(年上)。
以前は、「金光派か霹靂派か?」等と言われていましたが、最近では霹靂布袋劇の知名度が上がってきています。
テレビ布袋戯の時代から、台湾独自の発展を遂げている布袋戯。霹靂布袋劇は、伝統を破って再び新たなスタイルを築いたと言っても良いでしょう。例えば…
- 各キャラクターに声優をつけた。
- 台湾語ではなく中国語にした。結果、中国人ファンも増え、中国でも放送される事になった。
- 海外進出も視野に入れ、日本でもテレビで放送された。その際、有名脚本家、有名声優、主題歌にT.M.Revolusionを起用し、話題作りにも力を入れた。
日本で放送された番組『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』のCMはコチラ↓
Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 PV第1弾
中国から、台湾やインドネシアに広がった布袋戯ですが、もう台湾にしか残っていないようです。
金光布袋戯と霹靂布袋劇、これからもこの伝統芸能を未来に引き継いでもらいたいですね☆
★現代の布袋戯劇の撮影現場の裏側
今でも、昔ながらの布袋戯劇もありますが、それは主に神様に見せる為のものです。
人間が見る布袋戯劇(笑)は、現在映像化されています。
制作会社によっても制作方法は多少異なると思いますが、金光布袋戯劇の撮影現場の裏側を紹介したいと思います。コチラ↓
12分もあるので、簡単に説明を…
- 大きい画面が撮影現場。左下の小さい画面が出来上がった映像です。
- 50秒に出てくるオジさんは、布袋戯劇の曲を作る作曲家の一人。
- 2分〜2分20秒まで撮影風景。その後、社長さんが16秒話し、再び撮影風景。
- 8分はNG集。人形を投げるシーン。投げられる人形は同じ服を着たダミーだそうです。
- 10分33秒からの爆破シーンも凄いですね
最後のシーンはファンミーティングですかね?金光は三越でよくファンミーティングもやっているので、機会があれば是非足を伸ばしてみてください☆
★虎尾布袋戯館内の様子
日本統治時代、この建物はお役所だったそうです。
昔の布袋戯劇で使われた台本。
昔は劇をする時、生演奏もあったそうです。
三国志の古典劇に使われた人形。
こちらは日本統治時代、太平洋戦争中に作られた人形。劇の内容は、皆様が察する通りでゴザイマス。
今の布袋戯は、昔の物と比べて大きいですね。この人形を上手に動かせるようになるまで、少なくとも数年かかるそうです。そして、結構重いそうですョ。
布袋戯の人形の顔は、どれも木で出来ています。
お庭を散策。良い気が流れています〜。
日本統治時代の建物は綺麗だなっていつも思います。
ちょっとした駄菓子屋さんや…
お土産屋さんなんかもありました。
ここで飲み物などが買えるそうです。
★虎尾布袋戯館の周辺
雲林布袋戯館の正面には、日本統治時代に警察署だった建物があります。
今も当時の名残が。
台湾で一番お洒落な書店『誠品書店』の店舗も入っています。
周辺地図〜。
それからスタバも〜☆1階で注文し…
2階席へ。
2階のスタバ入口。
スタバの中。レトロな感じで良いですね☆
こちらは雲林布袋戯館から歩いて数分の所にあります。
この旗が目印!この赤いシロップはドラゴンフルーツだそうです!食べたかったけど、お腹いっぱいで食べれず…。次回ですね…。(^_^;)
この建物も昔の物でしょう。ここでかき氷も売られていて、外のパラソルの下で食べるスタイル。
メニュー
色々な物が売られていました。
レトロで可愛い〜。でもちょっと高い?
こちらの商品はお土産にも良いですね☆
フルーツアイスキャンディーも。
その他、近所に火鍋や丼ぶり屋さんもありました。
雲林故事館は雲林布袋戯館の隣です。詳しくはコチラ。↓
★雲林布袋戯館へのアクセス
台湾高鉄、雲林駅からタクシーで約10分。
住所:雲林縣 虎尾鎮 林森路一段498號
開館時間:10〜18時
休館日:月曜日、火曜日
※一日に何度か布袋戯劇を見る事が出来ます。着いたら最初に時間を確認しておきましょう〜☆